IB生の「生の情報」IB経験しての後輩へのアドバイス
II. 「IB生のための大学出願」
5. 外部テスト
SATSATはアメリカの大学を受けようと考えている人は受けなくてはならないテストです。SATを受けなくてもいいアメリカの大学はありますが、受けておけば全米の大学を受けられるので損はありません。SATは母語が英語の人用のテストなので、かなり難易度の高いテストです。例えるなら、外国人が日本のセンター試験を受けるような難しさと言えるでしょう。
SATは2種類あります。
1つはSAT Reasoning Testです。SAT Reasoning TestはReading、Writing、Mathsの3つの項目があり、各項目800点満点で計2400満点です。日本人にとって、Mathsの問題は簡単に感じられるでしょう。中学3年生までの範囲が出題されます。ただ、英語で出されるので用語を押さえておく必要があります。
ReadingとWritingはかなり難しいでしょう。普段学校の授業で使わない単語が出されるので単語はひたすら覚えるしかありません。卒業生はVocabulary Cartoonsという本を使い単語を覚えた人が多いようです。ReadingとWritingを強化するために問題集を使い点数を伸ばした卒業生もいるようです。問題集を買い、自分で模擬テストを行う事で時間配分やそれぞれの項目の成り立ちが理解できます。SAT Reasoning Testは何回も問題集をやり解く事が大事だと思います。是非回数をこなし、自分の苦手な箇所を探し攻略してみて下さい。
もう1つは教科別のテストであるSAT Subject Testsです。Reasoning Testと同じく、各テスト800点満点です。大学によっては受ける教科を指定してくる場合があるため、大学のホームページで確認して下さい。SAT Subjects Testsは文系科目(世界史、米国史、文学、言語系)と理系科目(数学、生物、化学、物理)両方あるため、IBをやっていれば両方受ける事ができます。IBで勉強した事で網羅できますが、SATのテストは出題の仕方が独特なため、これもSAT Reasoning Test同様問題集で慣れる必要があります。
TOEFL
TOEFL全般のアドバイスとしては、実際のテストがどのように行われるか知っていることが大切です。特に全ての時間配分は知っておくべきで、その上で一つの問題、セクションにどれくらいの時間がかけられるのかを知っておくことがとても大事です筆者は時間配分をミスしたためにlisteningでひどい点数を取った経験があります。Readingは各パッセージ18分で解きましょう。Listeningは各問題を35秒で解くようにしましょう。WritingとSpeakingに関してはinstructionに書いてある時間を見れば大丈夫なので、事前に覚えておく時間はありません。(ReadingとListeningも制限時間はInstructionに書いてあるものの、各問題をどれくらいの時間を使っていいのかが、事前に覚えていない分からないので事前に覚えておく必要がある)
またTOEFLとはどういうものかを知っておいても損はないでしょう。TOEFLで測りたいのは学生が大学でやっていけるのかということです。よって内容はアカデミックで専門的だったり、想定しているシチュエーションが大学内での一コマだったりします。
もう一つ一般的なアドバイスをするとするなら、理想としては実際のテストを模した練習を何度もすることです。リーディングは一パッセージを違う時間に何回もやるのではなく、4パッセージを72分で解くなどする方が実際のテストでの時間配分やコツを掴むことができると思います。
- Reading
単語量が割と大事。筆者は「TOEFLテスト英単語3800」をかなり豆に覚えました。ところでエビングハウスの忘却曲線を皆さんは知っていますか。一度覚えたことの内容の42%は20分後には忘れてしまい、そこからどんどん下がっていきます。この忘却曲線に対抗するのに有効な手段が復習です。1日以内に10分ほどの復習をすることで100%記憶が戻ってきて、次回の復習は1週間以内の5分の復習でまた記憶は100%戻ってきます。その次は一ヶ月以内の2〜4分の復習でOKです。これらの数字は正直覚えていられないと思うので、初めて習った内容はすぐに復習するようにすることと、昔に覚えたことも2、3回ほど定期的に復習することで知識が定着するということだけ覚えておきましょう。
単語はreadingで内容を理解するという根本的なことに役立ったり、definitionの問題が出てきた時に確実な点数を取ることに繋がります。ただし、definitionの問題は文脈の中で使われている意味が問われているので、テキストを読まずに答えてしまうと間違えてしまうことがあるので要注意。 - Listening
問題は二種類あり、それらは大学での会話と講義です。大学の会話はOffice hours、職員への相談、学生同士の会話、の3つの種類の中のどれかです。講義のトピックは多様ですが、講義の構成は二つに分けることができます。「テーマの導入→サブトピックの説明2つくらい」と「3つの関連する短いトピック」です。
ノートテイキングがTOEFLではどのセクションでもすることが認められていますが、Listeningは特にやりたくなってしまいがちだが、それが大きな落とし穴になる人が大勢います。なぜなら、書いている間にも話は進んでいき、綴やどうやって書いたらいいのかを気にしていたりすると、ノートテイキングに悩んでいた時間のところだけ、内容がすっぽり抜けてしまうことになるからです。書くことよりも話している内容を理解して、追うようにする方が案外問題が解けたりするので、その方法をおすすめします。 - Speaking
四つの問題が出題されます。一つ目の問題はpersonal choiceが求められて、問題の形式はagree/disagree、どちらを好むか、これは良いアイデアかを問という三つのタイプに分けられます。二つ目の問題はキャンパスの連絡についてで、まず制限時間内に短い大学からの連絡事項を読むことになり、その後二人の学生がその連絡事項に関して議論を聞く。そして質問としては、連絡事項の要点をまとめ、学生がなぜその連絡事項に関して肯定、あるいは否定しているのかを述べろという内容が出題されます。三つ目の問題は教授が一般的な事柄をどのように具体的な例を用いて説明しているのかを述べる問題です。この問題は一般的な事柄はパッセージを読み理解し、具体例は教授の発言を聞くことになります。四つ目の問題は三つ目の問題のreadingが無い形式のものと捉えていいでしょう。
これら全ての問題はここで説明できるように、形式が決まっています。ですから、自分が説明するときのテンプレートを用意することが非常に良い準備になります。これはグレーゾーンなのですが、スピーキング開始前に紙にテンプレを書き出しておくと自分が使いたかったテンプレのど忘れで止まってしまうことを防止できるので、やりたい方はその方法を使ってみてください。 - Writing
2つのパートに分かれていて、一つ目のパートは要約をする能力が主に試されています。まずはじめにテキストを読みます。その次に教授が先ほど読んだ内容と反対の内容を話している講義を聞きます。そしてどのようにレクチャーの内容がテキストを反駁しているかを論じるのが通常のパターンになります。一つ目のパートは20分でかきあげます。二つ目のパートではアカデミックなエッセイ(論理的で、きちんと構成立てられている)を書くことが求められています。書く内容は自分の考えなので、正解不正解は一応存在しません。
ライティングで重要なのは多様なtransition wordsを知っておき、使いこなせることです。特にパート1ではテキストと講義を対比することになるのでコントラストする語彙However, In contrast, Conversely, On the other hand, While, Althoughなど対比するtransition words を覚えておくことは不可欠です。
点数をあげることに役立つかもしれないのが、文字数です。両方とものパートに推奨されている文字数がありますが、それよりも多く書くのが望ましいと思います。私がTOEFLの点数をあげるために調べていたときに、文字数を伸ばしたことで点数が上がった事例を発見したので、公式には発表されていないものの、文字数も得点の指標になっている可能性があるので、書けるなら書けるだけ書いた方が良いと思います。私も実際に本当にそれが理由かは分からないものの、文字数を増やしたら点数が伸びたのでもしかしたら点数が伸びるかもしれないので実践してみるのは良いと思います。