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イマージョン教育とは?

Mike Bostwick

 

言語イマージョン教育とは、言語教育の一種で、一般教科を外国語で学ぶことです。新しく導入される言語を媒介として学習をし、同時に、その言語を習得します。イマージョンの児童・生徒は、言語能力を身に付け、授業内容を理解し、討論することができるようになります。児童・生徒は、同区域のイマージョン教育を導入していない学校と同じカリキュラムを使用し、教科によっては同じ教科書(翻訳された副読本)を使用します。

国際調査によると、2ヶ国語のみを話す人口が、1ヶ国語以上を話す人口が上回っているという結果が出ています。更に、世界中で、第二言語で教育を受けた子どもの数が、母国語だけで教育を受けた子どもの数を上回っていることも分かっています。世界のあらゆる地域で、第二言語や多言語を使うことが日常茶飯事になっています。(参考文献:Dutcher, 1994; World Bank, 1995)世界の様々な状況で長期的に実施された調査結果が、多言語習得は可能であるということを明確に示しています。多くの国の教育者、官公庁関係者や保護者は、子供たちが多言語を習得することが望ましいと考えています。(参考文献: Tucker, 1999)

 

なぜ、二カ国語教育システムが効果的なのでしょうか?

さまざまな教育の場で外国語習得に関する調査が数多く実施されています。過去30年間イマージョンプログラムの成功が主な要因となり、言語のみを習得する教授法から、言語と一般教科を統合して教えていく教授法へと移りつつあります。この変動は、4つ原理がもとになっています。

1.実践的な状況で学ぶことで、言語を最も効果的に習得することができます。言語習得経験の浅い子供たちのために、カリキュラムは、自然に外国語が習得できる環境、そして、子供たちが知っていること、興味のあることや、自分の感情や意見を伝える機会を与える環境を与えるように作られています。

2. 新しい言語を学ぶには、動機づけが必要です。そのためには、興味深い授業内容を用いることが不可欠です。授業内容が子供たちにとって意味のないものであれば、言語を学ぶことに興味を示しません。

3.子供たちは、母国語、批評的思考力、そして、社会の一員としてのルールを同時に身に付けていきます。それに加えて、外国語の学習を兼ね備えた教科内容指導の方法を導入することで、第二言語力も同時に身に付けています。

4.  目的に応じて、使用する言語が異なります。初等学校で実践されている言語の学習と兼ね備えた教科内容の指導方法は、多様な場に対応できる外国語を習得する機会を与え、自然に外国語を身に付けていきます。

 

イマージョン・プログラムの目標は何でしょうか?

大部分のイマージョン校は、4つのイマージョン目標を掲げています。

1. 機能的な外国語力を習得すること(聞く・話す・読む・書く)
2.
一般学生と同じレベルの十分な母国語能力を習得すること。
3.
各教科の授業内容を理解し、必要な力を習得すること。
4.
他国の文化を理解し尊重すること。

 

イマージョン・プログラムの特徴は何ですか?

1. イマージョンプログラムは、学習指導要領のカリキュラムに沿っています。加藤学園の児童・生徒は、レギュラープログラム“イマージョンプログラムを導入していないプログラム”と同様のカリキュラム(数学・理科、社会科、体育など)を使用しています。

2. イマージョンプログラムでは、外国語で学習した授業内容を児童・生徒の母国語で教え直すことはしません。加藤学園では、日本語教師が単元で学習した重要用語の復習や日本語で実施される学年末テストの手助けをする授業時間を組み込んでいます。外国人教師によって教えられた教材は、日本語では学習しません。日本語で教え直すことで、児童・生徒はイマージョン教師の英語での授業に耳を傾けなくなり、日本語での授業に頼ってしまいます。レギュラーのクラスでの児童・生徒でも見られるように、児童によっては学習内容を一度で理解するとは限りません。そのような場合は、英語で教材を教え直すことをします。

3. 本校の文化は、地域文化を反映します。本校はインターナショナルスクールとは違い、児童・生徒に西洋的価値観を無理強いすることはありません。外国人教師が、“新しい文化”に適応することを求めています。

 

イマージョン教育の効果に関してどのような発表がなされていますか?

イマージョン教育の調査が広がっています。イマージョン児童・生徒は、下記に紹介される分野で予想以上の結果を生み出しています。

1. 外国語能力:イマージョン児童・生徒は、従来の外国語の授業を受けた児童・生徒より優れた外国語力を身に付けます。児童・生徒は、ネイティブスピーカーのようにはなれませんが、同年代のネイティブ・スピーカーと機能的にコミュニケーションができるような力を身に付けます。

2. 母国語能力:イマージョンプログラムの学習初期段階では、母国語での識字発達が遅れをとることがあります。しかし、小学校卒業時には、日本語のみで学習をしてきた児童と同レベル、あるいは、それ以上の母国語力を身に付けています。

3. 授業内容:イマージョン児童・生徒は母国語のみで学習してる児童・生徒と同じレベルに達します。

4. 文化の尊重:イマージョン児童・生徒は、多文化をより理解し、積極的な態度を示します。

 

カナダ:イマージョン教育の発祥地

バイリンガル教育は、紀元前3,000年に遡ります。本校が導入しているイマージョン教育と呼ばれるバイリンガル教育は、カナダ、ケベック州で始まったと一般的には認められています。1965年、英語を母国とする保護者グループが、試験的にイマージョン幼稚園を実施しすることに成功しました。ケベック州の大多数がフランス語を母国語とし、権利、政治、経済を確立し始めていたために、子供たちの英語と同様にフランス語力が高い水準に達することを目指しこのプログラムを実践し始めました。

それ以来、フレンチ・イマージョンがカナダ各地に広まり、今では、カナダ全土でイマージョン教育が取り入れられています。(例:オンタリオ州児童・生徒の7%がフレンチ・イマージョンで教育を受けています。)カナダでは、320,000人以上の児童・生徒がイマージョン教育を受けています。フレンチ・イマージョンは、公立校でもかなりの割合で実施されています。そのため、児童・生徒は、アーリー・イマージョン教育(幼稚園・小学校1年)、ミドル・イマージョン(小学校45年生)、あるいは、レイト・イマージョン(小学6年、中学1年)を開始する時期を選択することができます。

カナダで、フレンチ・イマージョンが最も一般的なイマージョン教育であるが、ロシア語、アラブ語、ドイツ語、ヘブライ語、中国語、モホーク語のイマージョン・プログラムがあります。

 

アメリカと他の国々

2003年のCenter for Applied Linguistics (CAL)の調査によると、27の州で400以上の学校で11ヶ国の言語によるイマージョンを取り入れています。(完全イマージョン、部分的イマージョン、あるいは、Two-wayイマージョン・プログラム)アメリカ以外の国でも、言語イマージョン(カナダのイマージョンを模範としている)は、オーストラリア、韓国、フィンランド、ハンガリー、ハワイ、スペイン、南アフリカ、香港、日本にも広まっています。例えばオーストラリアでのイマージョン・プログラムは、フランス語、ドイツ語、中国語、インドネシア語、日本語などを使用しています。

 

参考文献

Bostwick, M. (2001). English Language Immersion in a Japanese School. In D. Christian & F. Genesee (eds.), Bilingual Education. Alexandra: TESOL

Dutcher, N., in collaboration with Tucker, G.R. (1994). The use of first and second languages in education: A review of educational experience. Washington, DC: World Bank, East Asia and the Pacific Region, Country Department III.

Hakuta, K. (1986). Mirror of language: The debate on bilingualism. New York: Basic Books.

Mimi Met. (1996) “Teaching Content through a Second Language.” in Educating Second Language Children by Fred Genesee (Ed.). Cambridge University Press.

Padilla, Fairchild, Valadez (Eds.) (1990). “Combining Language and Content for Second-Language Students.” Christian, Spanos, Crandall, Simich-Dudgeon, Willetts. In Bilingual Education, Sage Publications.

Merrill Swain. (1996). “Integrating Language and Content in Immersion Classrooms: Research Perspectives.” The Canadian Modern Language Review.

Swain, M. (1996). Discovering successful second language teaching strategies and practices: From program evaluation to classroom experimentation. Journal of Multilingual and Multicultural Development, 17, 89-104.

World Bank. (1995). Priorities and strategies for education. Washington, DC: The International Bank for Reconstruction and Development.

 


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